愛しい君 ―6―















あれから名前をレプリカにやって自分はアッシュになる、と母に告げた。

母上は驚き理由を聞いてきたがもうルークが限界だったので、

明日にして貰えるよう頼むと母上は淡く微笑んだ。



あなたは本当にその子が大切なのですね、

とそう言われ顔に赤くなる思いだったが事実なので否定などできるはずがなかった。

たった3日しか一緒に過ごしていないのに。





この気持ちは何だろう。













「あーぅ」

「おはよう、ルーク」



ふぁぁ、とあくびをするルークは放っておくと再び寝てしまいそうだったので俺はあわてて座らせた。

もしかして座ったままでも眠るんじゃないかと思ったが少しきょとんとした後、

俺を見て嬉しそうに手を伸ばしてくる。



……良かった。

どうやら起きたようだ。





「これからお前はここの子供に……俺の弟になるんだ。

……いやなこともあるかもしれない。でも俺はお前の側に、いる」



最後は自分に言い聞かせるように。



レプリカを疎むやつがいるだろうことは分かっている。

大人たちは人間であっても異質なものは受け入れないことを、身を持って知っているから。



でもそんなものに屈してなんてやるものか。

こいつは、ルークは。





俺が守る。



これから2人で始めよう。





「2人で、がんばろう」



2人で、と口に出したとき、何かふわりと胸に広がるものがあった。





これは……喜び?













……嬉しい?







何が?













……俺は、1人じゃない。お前がいる。





それがこんなに暖かな気持ちをもたらすなんて。













俺はアッシュ。



お前はルーク。







いっしょに、生きていこう。



























おれもアッシュとずっといっしょにいるよ





2009 9・29 UP