「ん……んぅ」
ちゅく、と音がする。
「ぁしゅ……」
あぁ、あぁ。アッシュ、アッシュ。
キスって凄いと思う。こんなに気持ちが溢れて溢れて止まらない。
好き。
すき、すき。
大好きだよアッシュ。
少し顔を離すと、目の前で嬉しそうに笑う顔が目に入りドキリとする。
こいつは分かっているんだろうか。
今の自分がどんな顔をしているか。
頬に赤みが差し、目は潤んで。
なにより唇がしっとりと濡れてまた触れたくなる。
こいつは分かっているんだろうか。
その表情、声が俺を煽っていることに。
「ぁ…」
親指でその唇に触れる。熱を持ったように、熱い。
「感じたのか?」
分かりきったことを聞いてやる。
「……っ」
赤い頬をさらに染めて、恥ずかしくて堪らないという風に肩に額をぐりぐりと押しつけてくる様を可愛いと思う。
大事にしたい。でも。
もっと触れたい。壊れるほどかき抱いてしまいたい。
もっと、もっと。
だがまだ早い。
怖がらせたい訳では、ないのだ。
ああ。なんて矛盾した思いだろうか。
「アッシュ……。ね、も一回……して」
そんなとろりと溶けた目をして言うんじゃねぇ。
俺の我慢は無限大じゃない。
食ってやろうか。
……なぁルーク。
多分、あとから読み返すと恥ずかしくて転げ回ると思う。
2008 4・18 UP