「ハニ〜〜」



後ろから体重をかけるようにして抱きつく。

ロイドは少しよろけたものの足を踏ん張って耐えた。

「なんだよゼロス。っつーか重い! 自分で立てよ!」

「いーやだね。俺とロイドくんの仲でしょーよ」



ロイドの頭に顎をのせていい位置に収まる。

うんうん、このポジションがいいんだよな〜。

ロイドはなにやら、顎が痛いだの重いだのぶつぶつ言っているが別に振り払う訳でもなくそのままだった。

うーん、いい感じ!

しばらくそのままくっ付いていると(その間ロイドはそのままお茶を淹れたりしていた)

たすたすと軽い足音が聞こえてゼロスの部屋がノックされた。



「どーぞ〜コレットちゃん」



足音だけで誰かは分かっていたので名前と一緒に返事をした。

「あ、ごめんね、あのね〜、あれ? なんだか楽しそうだね〜」

くっついた二人をみてのほほんと笑う。



「楽しいぜー。コレットちゃんもまざる?」

「え、いいの?じゃぁまぜて貰っちゃおうかな」



俺とコレットの会話を聞いていたロイドが不満そうに口を開いた。

「いや、どーやってまざるっつーんだよ」

俺2人分の体重はさすがに無理だぞ、と、どこかズレたことを言う。



う〜ん、やっぱりロイドくんはこうでなくっちゃな!



「だーいじょうーぶだって!ほれ、コレットちゃんこっち来な」

「うん〜」



手招きしてコレットを呼ぶと、とことこ歩いてくる。

はい、ここ、と示して。



「ほら、いい感じだろ!さすが俺さま〜!」

「わぁ、なんだか楽しいねぇ!」



ロイドの腕の中にすっぽり納まったコレット。

3人とも同じ方を向いてぴったりくっついている状態だ。



「……ゼーロース〜…!これじゃますます動けねぇじゃねえか!」

「え〜?動けるぜー?ほれ、右足からな。せーの、いち、にー、いち、にー」



声に合わせて3人で同時に足を出す。すると当然ながら前に少し前進した。

いや、進めるけどさ。俺の身動きが……なんなんだ、これ……

とか言いながらも少しこの状態を楽しみだしたロイドの髪に顔を押し付ける。







泣きたくなるくらい、日常そのまま、だった。

















パーティに戻ってきた後のゼロス。





2009、4・18 UP