「アッシュー!!」

「アーッシュ!!」

「ぐ…っ」



左右から同時に(力いっぱい)腰に突撃されては、いかにアッシュといえども息が詰まる。

しかしこの現状にだんだん慣れを感じてきている。

…それもどうかと思うが。



「お前ら……。ナリが半分になったからといって全力でぶつかってくんじゃねぇ!

いっぺんに来たら1人の全力と変わんねぇだろうが!!」



「「はーい」」



元気に手をあげて答えるルークは2人。

2人に分裂したからなのか、身長は元の半分ほどになっている。

「なー遊ぼうぜ!」

「遊ぼう!っつーかあそべっ!!」

先にせがんだ方が髪の短いルーク。

後が髪の長いルークだ。



「…俺は忙しい。ガイがいるだろう」

なんせルークの分の仕事までしているから。

ガイはルークが2人になって更に縮んだと便りを出したら、すっとんできた。

甲斐甲斐しく世話を焼いていて、さすが昔とった杵柄とでもいうべきか実に幼いルークの扱いに長けていて正直助かっている。



「やだっ!アッシュがいいっ!!」

「いいーっ!!」



左右からぎゅーっとしがみ付かれて動くこともままならない。







「…聞き分けろ」







両手でそれぞれの頭を撫ぜる。

「後で相手をしてやる」

「「ほんとかっ」」

「あぁ」



2人してほわっと嬉しそうに笑う。



「分かった!ガイと遊んでくるー」

「後で絶対遊んでくれよっ」



「行こうぜルーク!」

「うん!ルーク!!」



手を繋いでぱたぱたと駆けていく小さな後姿を見て、なんでこんなことになったのだろう、と何回目か分からない思いにかられるアッシュだった。













6月9日、ルークの記念小話でした。





2008、7・7 UP