※アビスキャラでシンフォニアパロです。









「ティア……っ!」



金色の光に包まれたティアが歌っている。







トゥエ レィ ズェ クロア リュオ トゥエ ズェ







失われたはずの、声。

その澄んだ音色で旋律を紡いでいく。





クロア リュオ ズェ トゥエ リュオ レィ ネゥ リュオ ズェ







「行くな、行くなよっ!」



歌わないでくれ。帰るって約束したじゃないか!

旋律が、紡がれる。契約の歌が捧げられていく。



「ダメだ!ティア!!」











……レィ ヴァ ネゥ クロア トゥエ レィ レィ







大譜歌を歌い終えたティアがゆっくり振り返った。



「ルーク…。ごめんなさい。私が再生した世界で、どうか、幸せになって」

「ティア…、なんでだよティアっ!」



瞳から一粒の涙。



「――ありがとう。さよう…な…ら……」



瞳から光が失われた。

完全なる天使へと。





嘘だ、うそだうそだ!





「ティア…っ!こんなの…こんな!ティア!」



駆け出そうとした矢先、電撃が地へと落ちる。驚き前を見れば――。

ダークブルーの長い、髪。



「…アッシュ?お前今までどこに」

ふらりと踏み出したルークの体を留めた手があった。

「ジェイド…?」

「アッシュ。あなたは、何者なのですか」

「…………」



「なに…何言って……。それよりティアっ…」

「もうそいつにはお前の記憶どころか声に耳を貸す心すらない。死を目前にしたたたの人形だ」



アッシュに言葉を遮られる。



「神子は、ユリアの新たな体としてローレライ教団が貰いうける」

「何……言ってるんだ…?」

ふら、とまた一歩出ようとした所を今度はガイに止められる。



アッシュの声が遠い。

ローレライ教団?ユリアの体?







アッシュ、アッシュ。そんな、まさか。







「俺は、世界を預言によって導く最高機関ローレライ教団に属する者」



アッシュの深いダークブルーの髪がその色を変えていく。

ザァッと瞬きするような刹那、そこに立っていたのは、紅い髪のアッシュ。



「神子の監視のため、差し向けられた『鮮血のアッシュ』だ」



濃紺であったはずの瞳さえ、色を変えていく。

それはルークと同じ――。





「な、んで……」





喘ぐように声が漏れる。

確かに、少し似ているかもしれないとは思っていた。

しかし髪も目も重ならなかったから、少し、ですんでいた。



今、そこにいるのは…。







「お…れ………?」











「お前とアッシュが同じ?ふ…笑わせる」

唐突に低く響いてきた声。

「誰だ!」



「愚かなお前に教えてやろう。私はヴァンデスデルカ。ローレライ教団を、ひいては世界を統べる者だ」

男が無造作に右手を掲げると衝撃波が発生し、3人の体を吹き飛ばす。

「が…はっ」

「……!」



アッシュがハっとしたように顔を上げる。



「異存はないな?アッシュよ」

「……」



男と目を合わさないアッシュからは何の応えもない。



「その神子は今までの神子よりも、ユリアとの固有マナが近い。

どうやらユリアを復活させる為にはこいつらが邪魔なようだ。…何より目障りだからな」



ブン…と体に響く音。



これは駄目だ。逃げろ、逃げろ、逃げろ…!!

そう思うのに、ルークの体は金縛りにあったように動くことがかなわない。





膨れ上がった力が放たれようとしたその時、ルークの前に立った者があった。

「そうはさせないよ」

言葉が終わるか終わらないかの瞬間、辺りは白い靄で包まれる。



「神子は既に天使化してしまっているようです…!」

「仕方ない…。全員つれて退却するよ」









救いの塔から脱出し、塔を見上げた者の髪は緑。



「アッシュ……早くしないと、何もかも、手遅れになる」





ぽつりと呟かれた声は風に流されて消えた。



















唐突に書きたくなったアビスでシンフォ。

ちょっとキャラクター説明を。

・ルーク…ロイドポジション。髪は長いですが中身は短髪。10歳(0歳)でガイに拾われる。
・ティア…コレットポジション。神子として育てられた。
・アッシュ…クラトスポジション。一旦は生まれたばかりのルークを連れてローレライ教団から逃げ出すも生き別れに。
・ガイ…ジーニアス+ダイクポジション。親友であり養い親。
・ジェイド…リフィルポジション。先生というか研究者。
・シンク…ユアンポジション。オリジナルイオンとイオンもいる。

2008 3・25 UP