朝起きて最初に見るのはお前がいい、なんて。
恥ずかしくて口になんか出せやしない。
まぁバレバレな気はするけどさ。
「おはよう、アッシュ」
うん、今日もいい1日になりそうだ。
あ?なんでかって?
……んなこと、俺に言わせんなよ。
わかってるくせに。
する、とアッシュの手が滑る。
くすぐったい。
けれど。
確かに、何か、違うものが潜んでいる……気がする。
「なぁアッシュ……」
「ん?」
ようやく得た休み。
2人でベッドに転がり微睡む。陽が高いうちからゴロゴロするなんて久しぶりだ。
アッシュは肘を立てて自分の頭を支え、もう片方の手で俺の髪を撫でたり背中を撫でたりしている。
アッシュにくっついて寝転んでいると後から後からふんわりとした柔らかい気持ちが溢れてきて、
満ち足りるってこういうことなんだなって実感する。
その柔らかい中に。
「アッシュに触られると、くすぐったいのに時々それだけじゃない気がすんだけど……なんだろ?」
首を微かに傾げてそう言うとアッシュは小さく笑って俺の額にキスしてくれた。
「それはお前が俺を好きだから、だろ」
よく分からないけどアッシュが言うならそうなんだろうと思ってギュッとアッシュに抱きついた。
無自覚ダブルが自覚してしばらくたったころ。
2011、7・3 UP