a ray of hope ―1―
何も聞こえない…。
当然だ………。
…?
なぜだ。なぜ、考えることができる?
何か暖かいものが頬に伝っている…これは…?
―アッシュ…―
レ、プリカ……。何て声出してやがる…。
ぽた。
また何か落ちた。
ぽた。
…涙?
泣いてやがるのか…?何か言ってやろうと思うのに、どこにも力が入らねぇ。
―アッシュ…アッシュ―
聞こえている。聞こえているから、そんな声で呼ぶんじゃねぇ……。
―俺の… … あげる か ら……―
な…に?
意識が浮上していく。頭が冴えてくる。
逆にあいつの声は酷く曖昧になり最後が聞こえない。
待て…今、何と言った。待ちやがれ。
「っレプリカ!」
そしてそれが、俺の第一声になった。
NEXT
長編になる予定、です…!
2006、6・22 UP