なんでもないことがこんなに、あぁこんなに。
嬉しいことだなんて。
「アッシューーっ!!」
「っ!?」
背中からドンッとぶつかるように抱き付いてきた衝撃でふらつくのを地を踏み締めることで耐える。
「…っの、お前な!全力でぶつかってくるんじゃないと、俺に何回言わす気だ!?」
ルークは聞いているのかいないのか、アッシュの背中に顔をうりうりと押し付けている。
ああ、その幸せそうな顔といったら。
「はは、まぁいいじゃないかアッシュ。ルークも悪気がある訳じゃないんだし、な?」
「お前は…!お前は一体どういう教育をしたんだ!ガイ!!」
いきなり怒りの矛先を向けられたガイはたまったものではない。
「う。あー…素直、に?かな…?」
苦しい。苦しすぎる。
ぶつかった衝撃ではらりと落ちてきた前髪。
それをかきあげながら睨むアッシュの目から逃れるように焦って言い募った。
「ほ、ほら!ルーク。アッシュに用だったんじゃないのか?」
「う〜?」
アッシュの背中にぺたっとくっ付いたルークからは明瞭な答えはなく。
「いや『う〜?』じゃなくて…」
何か言ってくれ俺がアッシュに殺されるだろ。
その日、アッシュのエクスプロードから逃げ回る(時々、粋護陣)ガイの姿が見られたとか。
何でもない日常っていいなぁ、という話。
短いですね…。
2006、12・3 UP